電子書籍を紙の本にする方法とは?初心者でも分かる完全ガイド
「電子書籍を出したけれど、やっぱり紙の本も作りたい」、「読者から紙の本で読みたいという要望が来た」ことはありませんか?

電子書籍の出版が一般化した今、紙の書籍としても出版したいというニーズが高まっています。実際に、電子書籍から紙の本への展開は、読者層の拡大や収益の向上につながる有効な戦略です。
本記事では、電子書籍を紙の本にする方法について、初心者の方でも理解できるよう詳しく解説します。具体的な手順から注意点、コスト面まで包括的にお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
電子書籍を紙の本にするメリット

読者層の拡大とアクセシビリティ向上
電子書籍と紙の本では、読者層が大きく異なります。特に中高年層やシニア層の中には、紙の本を好む読者が多く存在します。電子書籍だけでなく紙の本も提供することで、より幅広い読者にアプローチできるようになります。
また、電子機器に慣れ親しんでいない層や、長時間の画面閲覧に疲れを感じる読者にとって、紙の本は重要な選択肢となります。
贈り物としての価値とプレゼント需要
紙の本は贈り物としての価値も高く、プレゼント需要を取り込むことができます。特にビジネス書や実用書の場合、企業での研修資料や記念品として活用される可能性もあります。
誕生日プレゼントや卒業記念、昇進祝いなど、様々なシーンで選ばれやすいのが紙の本の特徴です。
信頼性と権威性の向上
紙の本として出版されることで、著者としての権威性や信頼性が高まる効果があります。これは講演活動やコンサルティング業務にも良い影響を与えるでしょう。名刺代わりとしても活用でき、ビジネス上の信頼関係構築に役立ちます。
書店での販売機会と偶然の出会い
紙の本なら実店舗での販売も可能になり、書店での偶然の出会いによる新規読者獲得のチャンスも生まれます。書店のディスプレイで目に留まることで、予期しない読者との接点が生まれる可能性があります。
電子書籍を紙の本にする主な方法

1. プリント・オン・デマンド(POD)サービスの活用
最も手軽で初期費用を抑えられる方法が、プリント・オン・デマンド(POD)サービスの利用です。PODサービスは、注文が入ってから1冊ずつ印刷・製本するシステムで、在庫リスクがゼロなのが最大の特徴です。
主要なPODサービス
Amazon KDP(Kindle Direct Publishing)のペーパーバック
- 電子書籍版を既に出版している場合、同じアカウントで紙版も追加可能
- 世界最大の販売ネットワークを活用できる
- 初期費用不要、売れた分だけ印税を受け取る
- Amazonの販売ページに紙と電子の両方を並べられる
PODのメリット
- 在庫リスクがゼロ
- 無料で出版可能(印刷コストは販売価格に反映)
- 小部数でも対応可能
PODのデメリット
- カラー印刷は高額になる傾向
- 製本のカスタマイズ性は限定的
2. 自費出版サービス・従来の印刷会社による小ロット印刷
出版社や印刷会社が提供する「自費出版サービス」や小ロット印刷を利用すれば、より自由度の高い紙の本が作れます。一定部数をまとめて印刷するため、PODよりも1冊あたりの単価を抑えることができます。
小ロット印刷のメリット
- 1冊あたりのコストが安い
- 用紙や製本方法の選択肢が豊富
- 品質の高い仕上がりが期待できる
- 高品質な製本やデザインが可能
- 書店流通も視野に入れられる場合がある
小ロット印刷のデメリット
- 初期投資が必要
- 在庫リスクがある
- 最小ロット数の制約がある
- 初期費用が高くなる傾向(10万円以上のケースも)
- 売れなかった場合の在庫リスク
3. ネット印刷サービス・オンデマンド印刷業者
ネット印刷サービスなどを活用して、自分で印刷・製本の発注を行う方法です。同人誌や企業向けマニュアル制作にもよく使われる手法で、比較的自由度が高いのが特徴です。
メリット
- 小部数でも印刷可能(1冊〜)
- 自由な仕様で作れる
- コストを抑えやすい
デメリット
- 販売ルートは自分で確保する必要がある
- 配送・在庫管理も自己責任
4. 出版代行サービスの利用
専門の出版代行サービスを利用すれば、電子書籍から紙の本への変換作業を一括で依頼できます。初心者の方や時間をかけたくない方には特におすすめです。
メリット
- 専門知識不要で高品質な仕上がり
- トータルサポートで安心
- 販売戦略のアドバイスも受けられる
- Amazon KDPPODの代行も可能
デメリット
- 費用がかかる(5万円〜10万円程度)
電子書籍から紙の本への変換手順

ステップ1:原稿の調整
電子書籍用の原稿をそのまま紙の本にすることはできません。以下の調整が必要です。
レイアウトの調整
- 電子書籍は画面サイズに合わせて可変レイアウトですが、紙の本は固定レイアウト
- ページ構成の見直しが必要
- 改ページの位置を調整
- 余白の調整
文字サイズと行間の調整
- 紙の本用の読みやすい文字サイズに調整
- 適切な行間を設定
- フォントの選択(印刷に適したフォント)
画像の解像度調整
- 印刷用の高解像度画像が必要(300dpi以上推奨)
- 電子書籍用の画像では解像度が不足する場合が多い
ステップ2:ページ設定の決定
判型(本のサイズ)の決定
- A5判(148×210mm):一般的な実用書サイズ
- B6判(128×182mm):文庫本サイズ
- 四六判(127×188mm):新書サイズ など
ページ数の調整
- 印刷の都合上、4の倍数でページ数を調整する必要がある
- 必要に応じて空白ページを追加
ステップ3:表紙デザインの作成
電子書籍用の表紙をそのまま使用することはできません。紙の本用の表紙デザインが必要です。
表紙デザインの要件
- 表紙、裏表紙、背表紙を含む展開図
- 高解像度(300dpi以上)
- 印刷用のカラーモード(CMYK)
- 塗り足し(3mm程度)の設定
- 背表紙の厚さ計算(ページ数と用紙の厚さから算出)
ステップ4:校正とテスト印刷
校正作業
- レイアウトの確認
- 文字化けや画像の乱れがないかチェック
- ページ順序の確認
- 誤字脱字の最終確認
テスト印刷
- 可能であれば事前にテスト印刷を行う
- 色味や仕上がりを確認
- 必要に応じて調整
ステップ5:印刷・製本
選択したサービスや印刷会社に発注し、印刷・製本を行います。
Amazon KDPでPOD出版する具体的手順
Amazon KDPを使った紙の本の出版は、初心者にもおすすめです。以下のステップで進められます。
ステップ1:原稿を紙の本用に整える
サイズ選択
- 四六判(127×188mm)、6×9インチ(15.24×22.86cm)など複数選択肢あり
- 日本の読者には馴染みのあるA5サイズ相当がおすすめ
フォーマット
- WordやPDFが対応
- KDPの推奨フォーマットに従って作成
表紙作成
- 背表紙を含めたフルサイズで作成
ステップ2:KDPアカウントにログインし、新規タイトルを作成
- 電子書籍と同様にタイトル・著者・説明などを入力
- 「ペーパーバック」を選択
- ISBNの有無も選べる(KDPが無料提供するISBNも利用可能)
ステップ3:原稿と表紙ファイルをアップロード
- 原稿の最終確認には「プレビュー機能」を使う
- アップロード後は必ず内容を確認
ステップ4:価格設定と販売地域を設定
- 印刷コストを含んだ価格を設定(利益も考慮)
- 日本だけでなく海外販売も可能
- 競合書籍の価格も参考にする
【注目】出版代行サービスでPOD出版を簡単・安価に実現
POD出版の壁を代行サービスが解決
Amazon KDPのPODサービスは初期費用がかからず魅力的ですが、実際に取り組んでみると多くの初心者が以下のような課題に直面します。
- 原稿フォーマットの調整が難しい
- 表紙デザインの作成方法が分からない
- ISBNの取得手続きが煩雑
- レイアウト崩れのトラブル対応ができない
- 画像解像度の適切な調整ができない
出版代行サービスを利用するメリット
専門の出版代行サービスを利用すれば、これらの課題をすべて解決できます。特にPOD出版において、代行サービスは以下の点で大きな価値を提供します。
1. 技術的なハードルをすべて解消
プロによる完璧なフォーマット変換
- 電子書籍データを紙の本用に正確に変換
- レイアウト崩れのリスクをゼロに
- Amazon KDPの要件に完全準拠した原稿作成
高品質な表紙デザイン制作
- 背表紙の厚さ計算も含めた完全な表紙デザイン
- 印刷用の適切なカラーモード(CMYK)での制作
- 塗り足し設定などの専門的な要件もクリア
2. コストパフォーマンスが実は優れている
一見、代行サービスの費用(5万円〜10万円程度)は高く感じられるかもしれませんが、実際には以下の理由でコストパフォーマンスに優れています。
失敗コストの削減
- 自力で進めて失敗した場合の時間的・金銭的ロスを回避
- レイアウト崩れや画像の粗さなどの品質問題を未然に防止
- 修正や再印刷の追加コストが発生しない
時間コストの大幅削減
- 専門知識の習得に多くの時間をかける必要がない
- 試行錯誤の時間を執筆活動や販促活動に充てられる
- 最短ルートで高品質な紙の本を実現
トータルコストでは自力作業より安価になることも
- 失敗による再印刷費用
- デザインソフトの購入費用
学習に費やす時間の機会コスト これらを考慮すると、代行サービスの方が結果的に安価になるケースが多くあります。
3. 正確性と品質の保証
専門家による品質管理
- 印刷業界の専門知識を持つプロが対応
- KDPのガイドラインに完全準拠
- 印刷後のトラブルリスクを最小化
細部まで行き届いた確認体制
- 画像解像度の適切性チェック
- フォント埋め込みの確認
- ページ数の調整(4の倍数への対応)
- 奥付の正確な記載
4. Amazon KDPとの連携もスムーズ
代行サービスならではの強み
- KDPアカウントの設定サポート
- アップロード作業の代行
- 価格設定のアドバイス
- 販売開始後のフォローアップ
こんな方には特に代行サービスがおすすめ
- 初めてPOD出版に挑戦する方
- 技術的な不安を解消し、確実に成功させたい
- 時間が限られている方
- 執筆や本業に集中したい
- 複雑な作業に時間を取られたくない
- 品質にこだわりたい方
- 読者に満足してもらえる高品質な仕上がりを求める
- プロフェッショナルな体裁にしたい
- 失敗リスクを避けたい方
- 確実に一発で成功させたい
- トラブルや修正の手間を避けたい
代行サービス選びのポイント
出版代行サービスを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- Amazon KDP PODの実績
- POD出版の代行実績が豊富か
- 成功事例の提示があるか
- サービス内容の明確性
- 原稿調整の範囲
- 表紙デザインの詳細
- 修正回数の制限
- 価格の透明性
- 追加費用の有無
- 見積もりの明確さ
- サポート体制
- 相談対応の丁寧さ
- 出版後のフォロー体制
※POD書籍の出版も含めたトータルサポートは、電子書籍出版代行サービスさんがおすすめです。
PODサービスと小ロット印刷費用の目安
PODサービスの場合
初期費用: 基本的に無料
印刷費用(1冊あたり)
- モノクロ100ページ程度:約200-400円
- カラー表紙付きの場合:約300-600円
印税率
- Amazon KDPの場合:定価の60%から印刷費用を差し引いた金額
小ロット印刷の場合
100冊印刷の場合の目安
- モノクロ100ページ:5-10万円
- カラー表紙付き:7-15万円
部数が多いほど1冊あたりの単価は下がります。500冊以上になると大幅にコストダウンが可能です。
注意すべきポイント
ISBN(国際標準図書番号)の取得
紙の本として正式に出版する場合、ISBNの取得を検討しましょう。ISBNがあることで書店流通や図書館での収蔵が可能になります。
ISBN取得方法
- 日本図書コード管理センターで申請
- 費用:1桁ISBN(10冊分)で約1万円
- 取得まで約2週間
奥付の作成
紙の本には奥付(発行者情報)の記載が必要です。
奥付に記載する情報
- 書名
- 著者名
- 発行年月日
- 発行者名・住所
- 印刷所名
- ISBN
- 著作権表示
著作権の確認
電子書籍に使用している画像や引用文について、紙の本での使用権も確認しておきましょう。使用許諾の範囲が電子書籍のみの場合、追加で許諾を得る必要があります。
品質管理の重要性
紙の本は電子書籍と比べて修正が困難です。誤字脱字やレイアウトの問題がないよう、入念な校正を行いましょう。一度印刷してしまうと、修正には再印刷が必要になるため、事前のチェックが極めて重要です。
販売戦略のポイント
価格設定のバランス
電子書籍と紙の本の価格バランスを考慮しましょう。一般的に紙の本の方が高価格に設定されますが、あまりに大きな価格差は読者に不信感を与える可能性があります。
印刷コストと適正な利益を考慮した価格設定が重要です。
同時プロモーション効果
電子書籍と紙の本を同時にプロモーションすることで、相乗効果を狙いましょう。それぞれの読者層にアプローチできるため、全体的な売上向上が期待できます。
限定版やイベント活用
初回限定版として特別な装丁を施したり、特典を付けたりすることで、コレクター需要を喚起することも可能です。また、講演会やセミナーでの直接販売も効果的です。
よくある失敗とその対策
失敗例1:レイアウト崩れ
電子書籍用の原稿をそのまま使用してレイアウトが崩れるケースが多発しています。
対策
- 紙の本用に一からレイアウトを組み直す
- 専門的な知識が必要な場合はプロに依頼
- 事前にプレビュー機能で必ず確認
失敗例2:画像の粗さ
電子書籍用の低解像度画像を使用して、印刷時に画像が粗くなってしまうケースです。
対策
- 印刷用の高解像度画像を準備(300dpi以上)
- 必要に応じて画像を撮り直し
- 画像の色味も印刷用に調整
失敗例3:コスト計算の誤り
印刷費用を過小評価して、利益が出ない価格設定をしてしまうケースです。
対策
- 事前に詳細な費用計算を行う
- 複数の印刷会社で見積もりを取得
- 販売数量の見込みも考慮した価格設定
失敗例4:品質チェック不足
校正が不十分で、印刷後に誤字脱字や不適切なレイアウトが発見されるケースです。
対策
- 複数回の校正を実施
- 可能であれば第三者にもチェックを依頼
- テスト印刷で最終確認
まとめ
電子書籍を紙の本にする方法は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。初心者の方には、初期費用がかからないPODサービス、特にAmazon KDPから始めることをおすすめします。
ただし、POD出版を成功させるには専門的な知識と技術が必要です。 技術的なハードルや失敗リスクを避けたい方には、出版代行サービスの利用が最も確実で、トータルコストでも安価になる選択肢といえるでしょう。
成功のポイントは、電子書籍と紙の本の違いを理解し、適切な調整を行うことです。特にレイアウトの調整と品質管理は重要で、これらを怠ると読者満足度の低下につながります。
また、単純に紙の本を作るだけでなく、販売戦略も重要です。電子書籍と紙の本の両方を活用した総合的なプロモーション戦略を立てることで、より多くの読者にリーチできるでしょう。
初めての紙の本出版で不安な場合は、出版代行サービスの利用も検討してください。プロのサポートを受けることで、品質の高い紙の本を安心して出版することができます。
電子書籍で培った経験を活かし、紙の本出版という新たなステップに挑戦してみてはいかがでしょうか。読者層の拡大と収益向上の両方を実現できる可能性があります。電子書籍から紙の本への展開は、著者としてのさらなる成長と成功への重要な一歩となるはずです。




