KDP著者向けKindle本Amazon Ads活用ガイド:日本の著者向けスポンサー広告サービスが開始されました!

 電子書籍の著者として、読者に自分の作品を届けることは大きな課題です。いくら素晴らしい本を書いても、読者の目に触れなければその価値は限られてしまいます。そこで朗報です。2025年2月27日、日本の著者の皆様にAmazonのスポンサー広告サービスが提供開始されました本記事では、この新しいサービスの概要から実践的な利用方法まで、詳しく解説していきます。

Amazon Ads

スポンサー広告サービスとは

Amazonのスポンサー広告サービスとは、著者が自分の書籍をAmazon内の目立つ場所に表示させることができるマーケティングツールです。統計によると、書籍購入者の77%はAmazonで買い物をしながら新しいタイトルや著者を発見しています。この数字からも、Amazon内での広告展開がいかに重要かが分かります。

日本の著者の皆様にも、このたびスポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告の両方が利用できるようになりました。すでに他国で広告を出稿している方は、同じ広告アカウントと運用方法を使って日本でも広告を作成できます。

スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告の違い

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告は、似たような本やジャンルを探している読者に自分の本をアピールするのに最適ですこれらの広告は、デスクトップとモバイルの両方で、関連性の高い商品検索結果や商品詳細ページに表示されます。広告がクリックされると、その本の商品詳細ページに読者が誘導されます。

特に初めて広告を出す方には、スポンサープロダクト広告からスタートすることをおすすめします。わずか数分でキャンペーンを作成でき、クリック課金制のため、広告がクリックされた場合にのみ料金が発生します。

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告は、同じ著者名で3冊以上の本を出版している著者を対象としていますこれらの広告を使うと、本のコレクションをアピールしたり、著者としてのストーリーを独自の方法で伝えたりすることができます。動画広告やカスタム画像を含めることも可能です。

スポンサーブランド広告は、検索結果ページの上部の下、検索結果ページ内、商品詳細ページなど、さまざまな場所に表示されます。スポンサープロダクト広告と同様に、クリック課金制を採用しています。

注意点: スポンサーブランド広告のキャンペーンを開始するには、著者セントラルで登録した同一のペンネームで出版された本が3冊以上必要です。

広告サービスの主な特長

1. 少ないクリックで売上アップ

スポンサー広告は、ストア利用者を商品詳細ページに直接誘導し、1~2回のクリックで簡単に閲覧や購入できるようにすることで、個々の商品の売上を促進します。

2. 本を際立たせる視覚的アプローチ

スポンサーブランド広告では、画像や動画広告を作成し、本の魅力を視覚的に伝えることができます。さらに、AmazonのAI画像生成機能を使えば、本のテーマに合わせたオリジナル画像を無料で作成することも可能です。

3. 予算に合わせた最適化

広告がクリックされた場合にのみ料金が発生するため、興味を持った購入者へ効率的に投資できます。自分で予算を設定し、広告費用をコントロールすることができます。

4. 詳細な分析機能

レポートダッシュボードで広告のパフォーマンス指標を確認でき、キャンペーンの最適化に役立てることができます。これにより、何が効果的で何がそうでないかを把握し、戦略を調整することが可能です。

5. 関連性の高いターゲティング

柔軟なキーワードターゲティングや商品ターゲティングのほか、システムが提案するおすすめのオプションが利用可能です。これにより、関連性の高い購入者にリーチしてキャンペーンを最適化できます。

Amazon Adsの始め方

Amazon Adsを始めるには、以下のステップに従ってください。

1. KDPからAmazon Adsにアクセスする方法

Amazon Ads
  1. KDPにサインインします
  2. KDPの「本棚」から広告掲載する本を選択します
  3. 「プロモーションと広告」をクリックします
  4. 「広告キャンペーンの実行」でマーケットプレイスを選択し、「広告キャンペーンの作成」をクリックします
  5. KDP認証情報を使用してAmazon Adsにサインインします

2. 著者セントラルからAmazon Adsにアクセスする方法

  1. 著者セントラルにサインインします(KDPの認証情報があればそれを使用できます)
  2. 本を著者セントラルアカウントに追加します
    • 「本」タブをクリックし、「今すぐ追加」をクリックします
    • 「検索」フィールドに、本のタイトル、ISBN、ASIN、または著者名を入力します
    • 対象の本を見つけて本の表紙をクリックし、「この本を追加」をクリックします
  3. 「レポートとマーケティングタブ」をクリックします
  4. 「Amazon Ads」タイルで、ドロップダウンメニューから日本を選択します
  5. 「広告コンソールに移動」をクリックします

3. 著者ページを最適化する

著者ページを最適化することで、読者があなたの本をより見つけやすくなります。

  1. 著者ページに本を追加して、読者が次に読む本を見つけやすくします
  2. 読者にあなたのことを知ってもらうために、写真と略歴をアップロードします

統計によると、書籍購入者の57%は特定のタイトルを念頭に置かずに買い物をしており、46%は購入する本のリサーチに商品検索結果を利用しています。そのため、著者ページの最適化は非常に重要です。

効果的な広告キャンペーンの作り方

効果的な広告キャンペーンを作るには、以下のベストプラクティスを参考にしてください。

1. 広告ガイドラインを確認する

Amazon Adsには特定の要件があります。広告ガイドラインを必ず確認してください。これにより、広告が承認される可能性が高まります。

2. 早めに広告を開始する

Amazonには広告審査プロセスがあります。審査には通常24時間かかりますが、最長で3営業日かかる場合もあります。そのため、特定の日付までに広告を開始したい場合は、余裕を持ってキャンペーンを作成しましょう。

3. 読者を理解する

広告を作成する際には、読者の立場になって考えてみましょう。読者はどのように本を探し、どのようなキーワードに反応するでしょうか?これらを考慮しながら、広告のターゲティングを設定していきます。

4. イベントやシーズンを意識する

特定の日の前後に本の売上が伸びると予想される場合は、早めに広告キャンペーンを強化し、少なくとも4~6週間は実施することをおすすめします。例えば、季節のイベントや記念日に合わせた広告展開を考えましょう。

5. 広告パフォーマンスを継続的に確認する

スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告に関するレポートを活用して、広告パフォーマンスに関するインサイトを得ましょう。それに基づいて、キーワードの調整や入札額の変更など、必要な最適化を行っていきます。

AI画像生成機能の活用法

AmazonのAI画像生成機能は、広告用の視覚的コンテンツを簡単に作成できる強力なツールです。このツールを使うことで、専門的なデザインスキルがなくても、魅力的な広告画像を作成することができます。

AI画像生成機能の特徴

  • 商品の詳細に基づいてライフスタイルやブランドをテーマにした画像を簡単に作成
  • プロンプト(テキスト指示)を使って画像をカスタマイズ
  • 季節やライフスタイルのテーマを適用して画像を改良
  • 完全無料で利用可能

効果的な画像を生成するためのヒント

  1. 簡潔かつ要点を絞る: 画像に表示させたいものだけを明確に指定します
  2. 具体的に描写する: 何を作成してほしいのか、正確に記述してください
  3. 適切な形容詞を使う: モデルがイメージの雰囲気やスタイルを理解するのに役立ちます
  4. あいまいな言葉や矛盾する表現を避ける: 明確な指示を心がけましょう
  5. 肯定形の表現を使用する: モデルは通常、「~を含めない」のような否定形の表現は無視します

AI画像生成機能の使用方法

  1. 広告コンソールにログインします
  2. サイドバーのクリエイティブツールアイコンをクリックし、「画像生成ツール」を選択します
  3. 宣伝する商品(ASIN)を選択します
  4. 「保存して続行」をクリックします
  5. システムが商品画像を基に自動的に画像案を生成します
  6. プロンプトやテーマを使用して、画像のバリエーションを改良するか、新しいバリエーションを生成します
  7. カスタム画像をクリエイティブアセットライブラリに保存するか、キャンペーンに直接追加します

このAI画像生成ツールを活用することで、読者の目を引く魅力的な広告を作成し、本の売上向上につなげることができます。

広告のモデレーションについて

Amazon内で広告を掲載するためには、モデレーションと呼ばれる審査プロセスを通過する必要があります。このプロセスは、広告内容が適切であり、Amazonのガイドラインに準拠していることを確認するためのものです。

モデレーションプロセスの内容

  • 書籍の内容、表紙画像、広告内のカスタムテキストまたは見出しが審査されます
  • すべての要素がリテールおよび広告のガイドラインの範囲内にあるかどうかが確認されます
  • 審査は通常24時間以内に完了しますが、最長で3営業日かかる場合もあります

広告承認の可能性を高めるヒント

  1. 広告ガイドラインを事前によく読んでおく
  2. 不適切なコンテンツや表現を避ける
  3. 誤解を招く可能性のある主張を避ける
  4. 著作権に関する問題がないことを確認する
  5. 言語が異なる場合は、必要な免責事項を含める

モデレーションプロセスを理解し、ガイドラインに沿った広告を作成することで、スムーズな広告展開が可能になります。

よくある質問

どのような種類の広告を作成できますか?

スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告の2種類があります。スポンサープロダクト広告は個別の本を宣伝するのに適しており、スポンサーブランド広告は著者のブランディングや複数の本のプロモーションに適しています。

自分の本を宣伝するべき理由は何ですか?

Amazon Adsを利用することで、以下のメリットがあります。

  • 購入者の74%はAmazonで広告を見たことを覚えています
  • 購入者の51%は購入プロセスの早い段階でAmazonを利用しています
  • Amazonを利用した書籍購入者は、そうでない購入者より平均22%多くのタイトルを検討します
  • 書籍購入者の46%は検索結果を参考に本の購入を検討しています

新しいキャンペーンを作成するにはどうすればよいですか?

  1. 広告アカウントに登録します
  2. 広告コンソールにサインインします
  3. パフォーマンスダッシュボードの下にある「キャンペーンを作成」をクリックします
  4. 使用する広告タイプを選択し、キャンペーン作成の手順に従います

カスタム画像や動画広告を使用するにはどうすればよいですか?

スポンサーブランド広告を利用して、カスタム画像や動画広告を含む広告を作成できます。カスタム画像がない場合は、AmazonのAI画像生成ツールを使用して、無料でオリジナル画像を作成することも可能です。

日本でのスポンサー広告に関する制限はありますか?

日本では、インディーズFliptoonおよびインディーズマンガシリーズのASINは対象外ですが、インディーズマンガの個別エピソードのASINは広告の対象となります。また、スポンサーブランド広告を開始するには、著者セントラルで登録した同一のペンネームで出版された本が3冊以上必要です。

まとめ

Amazonのスポンサー広告サービスが日本の著者にも提供開始されたことで、電子書籍を出版している著者の皆様にとって、新たな読者層にリーチするチャンスが広がりました。スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告の両方を活用することで、本の認知度を高め、売上増加につなげることができます。効果的な広告キャンペーンを作成するには、読者のニーズを理解し、適切なターゲティングを設定することが重要です。また、AmazonのAI画像生成機能を活用して、魅力的な広告ビジュアルを作成することも検討してみてください。

広告は一度設定して終わりではなく、継続的なモニタリングと最適化が必要です。レポート機能を活用して、パフォーマンスを確認し、必要に応じて戦略を調整していきましょう。Amazon広告を通じて、あなたの作品がより多くの読者に届くことを願っています。新しい読者との出会いが、あなたの著者としてのキャリアをさらに豊かなものにするでしょう。


本記事は2025年2月現在の情報に基づいています。サービス内容や機能は変更される可能性がありますので、最新情報はAmazon Adsのページでご確認ください。